『金持ち心♀♂貧乏心』
櫂也は言って後悔した。
自分の最低な事で、美桜を傷つけ、苦しい思いをさせてしまったこと。
それを思うと、櫂也の心の中に怒りがふつふつと湧き上がる。
「携帯を探している時、見ていたんだ・・・手伝おうかと思ったけど、出来なかった・・・・美桜は楽しそうだったから・・・そんな表情や空気、雰囲気を久しぶりに見て、本当に戸惑った。」
來斗は机から降り、背筋を伸ばした。
「君は契約だと言うが、本当はパーティーの時から興味があったんじゃ無いか?君は、美桜と同じで素直じゃなさそうだから。」
櫂也は目を見開いて、來斗を見る。
「なんか、君を見ていたら、勝てる気がしないよ。美桜への恋心が薄れてきた。凄いパワーを持っているようだな。君は」
「えっ・・・・?」
來斗はニコリと笑った。