『金持ち心♀♂貧乏心』
櫂也は、犬養の言葉に驚くだけだった。
櫂也も美桜が寝ていないんだな・・・という事は、なんとなく想像していたが、夜唸っていて、しかも二時間だけの睡眠・・・。
「それは、ストレスとかで、あんな性格になるわ・・・」
「それだけだと、いいのですが・・・・。」
犬養は考え込んでいる様子だった。
「あっ。美桜、知りませんか?」
「それが、分からないのです。私も探しているのですが・・・」
櫂也は、犬養に軽くお辞儀をして、また走り出した。
「あっ・・・・・・・」
たまたま上を見ると、両手を広げた美桜の姿・・・・。
「美桜!!」