『金持ち心♀♂貧乏心』




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厳重そうに作られた屋上の扉を開ける。



こうも簡単に開くと、本当にこの扉は、厳重そうというだけで、櫂也は美桜の姿を見つけると、ゆっくりと歩み寄っていった。




「美桜」



「何、何しに来たの?」




美桜は屋上の安全柵は超えては無く、ただ手を広げ、風を感じていた。





「何かよからぬことを考えてるんじゃないか・・・って」




「私が嫌いなら、ほっておけばいいじゃない」




「それも、そうなんだけどな。なんか、気になって」




美桜は柵をギュと握り締めた。




「私はあなたが嫌い。どうして、夢に出てこないくせに!私を殺さないクセに!どうして、現実世界で私を苦しめるのよ・・・・。あんたなんか嫌い、大嫌い!!」






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