『金持ち心♀♂貧乏心』
櫂也は、さっきよりもさらに、美桜に近づいていく。
「何、なんなの!?」
美桜の声は、空まで届いてそうだ・・・。
「夢・・・なんだな。お前がそんなに苦しんでる理由」
「あなたに話す必要は、無い。今まで私は、一人でこれと戦ってきた。なのに、何で大嫌いな奴に話さなきゃならないのよ!」
「俺は話した。」
「それは、あんたが勝手に!」
美桜は櫂也を睨む。
「でもお前は聞いた。だから、別にいいだろう?」
美桜は鼻で笑うと、自分の頭を軽く叩いた。
「小さい時、私は誘拐されかけたの」