『金持ち心♀♂貧乏心』
美桜はベッドに身を預けた。
「ヒガシノじゃ・・・無かった・・・」
美桜は目に涙を溜めていた。
「ありえないよね・・・私に釣り合うなんて、会社の社長にならなきゃいけないもの・・・・じゃなきゃ私だって・・・」
美桜は机の引き出しから、あの日貰った手紙を取り出した。
「もう、決めていいかな・・・・待ってるなんてことは、無駄なのかな?」
美桜は小さく呟くと、手紙に涙を落とした。
「馬鹿・・・櫂也の馬鹿・・・・」
あの日の涙で、もう手紙の字は、きちんと見えない。
「馬鹿ぁ~」
でもきちんと美桜の心に残ってしまっていた。