『金持ち心♀♂貧乏心』




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美桜は呼吸を整える。




高級ホテルのレストランを貸しきってまでのお見合い。




「ここまでしなくたっていいのに」




美桜はそう呟くと、レストランに入る。




ゆっくり歩くと、お見合い相手の背中が見えた。




背中だけだと、凄く若そうだ。




美桜は深呼吸をすると、背中の人に告げた。




「さっそく、お誘いくださったのに、ごめんなさい。私には忘れられない人がいます。だから、ここで食事も結婚も出来ません」




美桜は、息継ぎなしで言った。




「相手の背中を見て、言うのは、失礼なんじゃないですか?」





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