『金持ち心♀♂貧乏心』
櫂也は小さく言うと、華の後に続いた。
「早くしないと、間に合わないわね。あらぁ~羽美ちゃん!めっちゃ白のドレス似合ってるじゃない!!」
「そうでしょう?お母さん。私これ、気に入っちゃった!」
羽美はドレスの裾を持って、クルリと回った。
「やぁ~可愛いわ。ねぇ、櫂也くん」
「えっ?あぁ・・・そう、ですね」
羽美はチークでほんのりピンクになった頬を、プクッーと膨らませた。
「もうちょっと言ってくれたって、いいじゃない!櫂也の馬鹿ッ!」
「俺は・・・別に金がかかってる服は、可愛い、綺麗だと思ってるけど?」
「櫂・・・也・・・」
櫂也は羽美の横を通り過ぎ、自分の部屋へと入って行った。
「櫂也に可愛いって言われたかったのに・・・な・・・」