『金持ち心♀♂貧乏心』
『いやいや、倍にはならねーだろう。』
とお手伝いが心中で呟く。
「いぃのうえー!」
そんな時バットタイミングなのか、グッドタイミングなのか、お嬢様の声が聞えた。
「なんでしょう。お嬢様」
「私と遊んで!!」
お嬢様の言葉に井上は首を振り、腕時計を見る。
「無理です。私もう、6分47秒も定時を過ぎています。なので帰ります」
「そんな、冷たいこと、言わないで!」
お嬢様は部屋の中で何をしているか、分からない。
「あぁ、もう8分も。お金に換算すると、13円弱ですね。これは大変だ」
井上は、お嬢様の部屋のドアに一礼した。
「それでは、失礼します」