『金持ち心♀♂貧乏心』



櫂也の声のトーンが低くなった。



「馬鹿にしてるのか?」



「お嬢様を馬鹿にしたのは、誰かしら?普通だったら、皇堂と大道寺が協力して、西園寺を潰してるところだけど。」



「お前・・・まさか、皇堂莱華か?」




彼女はニコリと暗闇の中笑うと「正解」と呟いた。




「西園寺を潰す・・・?聞いてたのか?」



「私の耳、地獄耳だから」




莱華は、自分の耳たぶを引っ張る。


そして車が来たことを確認すると、櫂也に手を振った。




「謝ってね。なんて言わないけど・・・そうとう美桜お嬢様、怒っているみたいだからさ。まぁ、学園で会うんでしょうけど。だって、いつまでも西園寺の人間が、公立高校にいられないでしょう?薔薇園(ばらぞの)学園で待っているから。どうやら私たち、同級生みたいだからさ。仲良くはしてあげるわよ。お節介かも知れないけど。こう見えても、庶民の心はおばあちゃん、お父さんから受け継いでいるからね。じゃ、今度は学園で・・・。」













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