『金持ち心♀♂貧乏心』
莱華は淡々と言うと、迎えの車に乗って、公園から離れていった。
「いつまでも、公立高校にはいられない・・・か・・・。」
『薔薇園学園で待ってるから』
『仲良くしてあげるわよ。お節介かも知れないけど』
『庶民の心は受け継いでるから』
櫂也は、莱華の言葉を思い出していた。
「変な女・・・大道寺美桜の親戚とは思えないな・・・まぁ、猫かぶりは一緒かも知れないけど・・・・。」
櫂也は周りに人がいないことを確認すると、ブランコをこぎ始めた。
「あぁー懐かしいなー」
ちょっとキぃーと音がする、このブランコ。
昔から一個しか無くて、羽美と取り合いになったり、はたまた仲良く交換したりして、楽しんでいたブランコは、櫂也のとって思いで深いもので。
あの時はまだ両親がいて、笑いあっていた時だった・・・。