『金持ち心♀♂貧乏心』
來斗は、はぁ?という顔をして、口を開いた。
「美桜に対抗できるのは、あの井上?っていう手伝いだけだろう?美桜と乱闘って・・・命知らずの馬鹿か?」
「馬鹿・・・かも知れないな。だから莱華の話を聞いて、乗ってみたんだ」
「あいつの?大丈夫かよ」
桜羅は声を出して笑った。
「馬鹿兄貴とは違って、莱華ちゃんはまともな事言うからな。お前の提案だったらぜってーに乗らなかった」
「馬鹿兄貴って、お、俺のことかよッ!」
「莱華の兄は、お前しかいねぇーだろう。やっぱり馬鹿だ」
桜羅はそう言うと、下駄箱に来た彼を見た。
「乱闘は始まって無かった。・・・これからみたいだな」