『金持ち心♀♂貧乏心』




ほとんどの生徒が教室に向う中、櫂也と莱華は生徒会室に向っていた。




「いつもあんなんなのか?」



「えぇ、あんまりいい表を出さないほうが、メンドクサイことにはならないわよ。私も後悔している一人だから」



「なるほどね・・・。お姫様扱いってことか」




莱華は鼻で笑うと「そうとも言えるわね。」と言った。




「でも、大道寺美桜は違う。女王様よ。今は誰かさんのせいで、大魔王になりかけてるけど。」



「知るかよそんなこと。」




「私も知ったこっちゃないわよ。本心はね。でもさ、昔はあんなんじゃあなかった。私よりもお姫様で、よく笑顔でいて、私たちを笑わせてくれた。」




「・・・・・・」




「美桜は、何を失ったのかな?」




莱華はゆっくりと生徒会室のドアを開けた。




「先客が待ってるから」










< 49 / 188 >

この作品をシェア

pagetop