『金持ち心♀♂貧乏心』
ほとんどの生徒が教室に向う中、櫂也と莱華は生徒会室に向っていた。
「いつもあんなんなのか?」
「えぇ、あんまりいい表を出さないほうが、メンドクサイことにはならないわよ。私も後悔している一人だから」
「なるほどね・・・。お姫様扱いってことか」
莱華は鼻で笑うと「そうとも言えるわね。」と言った。
「でも、大道寺美桜は違う。女王様よ。今は誰かさんのせいで、大魔王になりかけてるけど。」
「知るかよそんなこと。」
「私も知ったこっちゃないわよ。本心はね。でもさ、昔はあんなんじゃあなかった。私よりもお姫様で、よく笑顔でいて、私たちを笑わせてくれた。」
「・・・・・・」
「美桜は、何を失ったのかな?」
莱華はゆっくりと生徒会室のドアを開けた。
「先客が待ってるから」