『金持ち心♀♂貧乏心』



莱華はおどけたようにそう言う。



「莱華ちゃん。俺らのキョウダイ事情は、彼にとってはどーでもいいことだろう?」



「でもそろそろ美桜だって、本気で動き出すと・・・」




――コンコン



生徒会室に響く、ドアをノックする音。




「桜羅お兄さんにお話があります。入ってよろしいでしょうか?」




莱華はすぐさまコップを片付け、櫂也の腕を掴み、引っ張った。




「黙って私についてきて」



「はぁ!?」




「今、美桜があなたを見たら・・・どうなるか・・・」





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