『金持ち心♀♂貧乏心』




莱華と櫂也は目を見開き、お互いを見た。




「大道寺桜羅は、現時点でも私の約2倍の株をお持ちです。おじいちゃんが死んだら、あなたには株が行くけど、私には来ない。それって可笑しくありませんか?桜羅は後継者にふさわしくないのに。だから、おじいちゃんが死んだ時の株の行き先を、私大道寺美桜にして欲しいのです。一筆、この紙に書いていただくだけですから」




美桜はペンと大道寺の判と書類を出した。



「父さんや母さんは知ってるのかよ」



「言うわけないじゃないですか。止められます。私が女で、あなたが長男だから」





美桜は悔しそうに笑う。



隣の部屋にいる櫂也は拳をつくっていた。




「おい。もういいか?我慢の限界なんだけど」



「へっ!?」





「なんで、なんであいつは、自ら家族を崩壊させるような事、言ってるんだよ」







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