『金持ち心♀♂貧乏心』



投げる手を掴んでいるのは、西園寺櫂也だった。




「勝手でしょう!?私がここの校章を捨てようと・・・」



「勝手だよ。でもな、もしこれが、下にいる奴の目などに当たって、大怪我になったらどうするんだ?」



「お金を払うわ、治療費、将来の生活が困らないくらい」



「将来の可能性のある時間は、お金で買えるか?お金で話が片付くのか?」




美桜は櫂也の腕を振り払った。



校章を制服のポケットにしまい、櫂也に背を向けて歩き出した。




「俺さ・・・学園祭の買出しなんだ。」


「そう。良かったね」





「一緒に行かないか?」










< 59 / 188 >

この作品をシェア

pagetop