『金持ち心♀♂貧乏心』




美桜は櫂也のメモを見た。


「肥料?花でも育てるの?」


「あぁ、舞台で本物の花を使うらしいんだけど、どうせなら育てようってことで」



美桜は「ふーん」と頷くと「あなたらしい考えね」と呟き、天井にぶら下げられた看板を見て「肥料はあっちみたいよ?」と指差した。




「何で俺の考えって分かったんだ?」


「庶民らしい考えだな・・・って。まぁ、あんたのクラスメイトも庶民ばっかりなのかしら」




美桜はワザとなのか、人を挑発するように言葉を発する。


櫂也はそれをお嬢様独特なのかと、言わば偏見的な事を思っていたが、何故か櫂也は、美桜はただ寂しがりやなんでは?と思ってしまった。




「庶民クラスってな・・・とりあえず皇堂莱華もいるんだぞ?」



だってその挑発に乗ると、彼女の無表情が少しだけ綻び、嬉しそうに笑っているように見えるから・・・・。




「あいつは、好きでお嬢様なんじゃないのか?」



櫂也は自分の発言に驚いた。



まるでそれは、美桜に興味があるような言い方だったから・・・。







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