『金持ち心♀♂貧乏心』
美桜にしては弱気っぱい発言だった。
櫂也の弱みを握ったって言って、走り回りそうなのに。
「さっきの性格が一番、得をするんだ。」
「聞いてないんだけど?」
「じゃあ、聞いてくれるか?」
美桜は頷くが「ここで?」と苦い物を食べたような顔をした。
肥料などが置いてあるため、とてもいい匂いとは言えなかった。
雰囲気もあるし、櫂也は一度カゴの中の肥料を戻し、美桜の腕を引っ張った。
「ファミリーレストランでいい?」
「ファミリーレストラン?ファミリーって家族じゃない。私たち家族じゃないから、入れないんじゃ・・・」