『金持ち心♀♂貧乏心』
美桜のトンチンカンな言葉に、笑ってしまった櫂也。
二人は知らない。
今お互いが惹かれあっているということ。
二人は知らない。
これからとんでも無い事が起きることを。
「ファミリーだからって、家族の人限定が入れるわけじゃねぇーよ」
「そうなの?世界三大珍味の料理ある?」
「ねぇーよ。馬鹿かお前は」
「庶民のレストランなんて、入ったこと無いもん・・・」
美桜は頬を膨らませ、櫂也の背中を見た。
『私はまだ。この人に刺し殺されてない。』
・・・と心の中で呟いた。