『金持ち心♀♂貧乏心』
羽美はその時、入りたい高校に向けて、ひたすら鉛筆を握っている時だった。
しかし羽美は「高校行くの辞める」と一言言うと、部屋から出なくなった。
俺は、まだ経済的に余裕があった時に受けた公立高校に通いながら、深夜のバイト三昧生活を送っていた。
羽美の身体は弱りきってきていて、肌もボロボロになっていった。
「お父さん、ここは私たちが自殺して、保険金をあの子たちに・・・」
「駄目だ。気持ちは分かるが、自殺なんて、警察にはすぐばれてしまう・・・」
ある日の深夜。
両親は悲しくも残酷な話をしていた。
俺は止めに行きたかったが、なんと言っていいのか、言葉が一つも見つから無い。