『金持ち心♀♂貧乏心』
そして俺は思うのだった。
こんな両親いなければ良かったのに。と・・・。
自分自身でも、その心の声に驚いていた。
昔は笑いあって、この家族で良かったと思っていたくせして、状況が変わるとすべてが変わってしまうんだと。
冷静な東野櫂也が分析した。
両親の鳴き声を何回聞いただろう。
羽美の唸り声を何回聞いただろう。
俺はある日、包丁を握り締めていた。
自分を刺そうか、家族を刺そうか本気で悩んでいた。
そしてそれは俺には出来ないと考え、包丁を置く。