『金持ち心♀♂貧乏心』
大吾郎さんが冗談で言っているわけ無い。っていうのは分かっていた。
でもそれなりに、この話は覚悟が必要だった。
俺も、羽美も。
返事は一週間後に出します。と告げて、リムジンから降りた。
羽美をしばらく住まわせてくれた奥さんにお礼を言う。
血だらけなのを消毒してくれた。
そして、養子と養女の話をした。
するとわが子のように、泣いて喜んでくれていた。
「もう、頑張る必要が無いのね。あなた達キョウダイが」と何度も、何度もそう言っていた。
後は羽美に話をするだけだった。