『金持ち心♀♂貧乏心』
羽美が質問してきたのは二つだけだった。
「もう、苦しい生活じゃなくていいの?」
「お兄ちゃんと一緒にいられる?」
という、答えるのが簡単な質問だった。
もちろん結婚を考えなきゃいけない。とも言った。
でも羽美は「しょうがないんじゃない?それなりのこと、してくれるんでしょう?」と言っただけだった。
答えを出すまで、あと3日。
俺は何故かスーパーに足を運んでいた。
そして、それなりに貧乏的な生活も嫌いじゃない。と分かった。
でもその答えは、俺じゃなく、羽美を不幸にする。そう気がついたから、返事を出さなきゃいけない2日前に答えを出した。
「お話をお受けいたします」