『金持ち心♀♂貧乏心』




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美桜は朝ご飯を済ませると、学校へと行く準備をしていた。



「今度は、クラスの人に・・・か・・・」




美桜の身体がガタガタと震えた。


美桜は自分で肩を抱く。




「大丈夫。大丈夫だから。私一人でも、大丈夫なんだから」




振るえが止まると、目の下にあるクマを隠すために、ファンデーションを薄く塗る。




「消えた・・・かな」



鏡を見て頷くと、犬養の待つ玄関に向って、長い廊下を進む。




「お嬢様、おはようございます」



美桜は軽く会釈した。



「犬養。いつもよりちょっと早いけど、もう行くわ。」



「かしこまりました」




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