『金持ち心♀♂貧乏心』
リムジンに乗り込むと、美桜は参考書を開いた。
「犬養。」
「はい。なんでしょう?」
美桜は開いたばかりの参考書を閉じると、変な質問をした。
「ねぇ。知っている人に殺される夢を見たことある?」
「いいえ、ございませんね。お嬢様は見たことが?」
「無いに決まってるでしょう。夢は、脳に残ってることが出る・・・って聞いた気がしたから・・・」
美桜はそう言うと、参考書をまた開いた。
「ですが、見たとしたら、精神が狂ってしまうかもしれませんね」
犬養の言葉に「そうね」と冷たく一言、美桜は呟いた。