『金持ち心♀♂貧乏心』



リムジンに乗り込むと、美桜は参考書を開いた。



「犬養。」



「はい。なんでしょう?」




美桜は開いたばかりの参考書を閉じると、変な質問をした。



「ねぇ。知っている人に殺される夢を見たことある?」



「いいえ、ございませんね。お嬢様は見たことが?」



「無いに決まってるでしょう。夢は、脳に残ってることが出る・・・って聞いた気がしたから・・・」




美桜はそう言うと、参考書をまた開いた。




「ですが、見たとしたら、精神が狂ってしまうかもしれませんね」




犬養の言葉に「そうね」と冷たく一言、美桜は呟いた。










< 91 / 188 >

この作品をシェア

pagetop