『金持ち心♀♂貧乏心』
美桜は噴水の底に座っていたのかと思っていたが、本当は櫂也に馬乗りしていたのだ。
「どうりで、やわらかいと・・・って、大丈夫?」
櫂也に手を差し伸べると、櫂也は手首を掴み、起き上がった。
「ガハッ、ゴホッ、」
「大丈夫?」
「だいじょ、ガハッ、に、ガッ、見えるかッ、ガハッ」
櫂也はかなり苦しそうだったが、数分待つと、スーハースーハーと呼吸しだした。
「ったく、お前に溺れ殺されるかと思った」
「ごめんなさい。気がつかなくて・・・」
「感触で分かるだろう普通。ったく、はい、これ」
櫂也の手には、昨日投げ捨てた携帯。