【仮】変態家庭教師のとなり。
プツンとあたし達の繋がりも、切れたような気がした。
離された手首。痛かった。
奏斗に強く握られて、痛かった。
『離れないで、俺から離れんな』
そう言ってる気がして。
でも、でもね。
どんなに痛くても、離さないで欲しかった。
握られている時より、離された時の方が、
ずっと、ずっと痛いんだね。
奏斗、ごめんね…、
あたしは小さくなる奏斗の背中を見つめた。いつもはたくましく見える奏斗の背中は、今日だけ少し弱々しく見えた。