舞 ライフ
~舞~
人・・・ってなんだ?

なんて、イキナリ聞かれたらどうする?

人。人は、動物の中で唯一、感情を持つ。

そう、感情を、持つ。

楽しい。嬉しい。面白い。つらい。苦しい。嫌い。好き。

その中でも。つらい、とか、苦しい、といった感情は、脳内に良くない記憶となって刻まれる。
そうして、人は成長していく。


・・・昔に聞いた、お父さんの話。

そのときにお父さんに言われたこと。

「お前には、感情豊かな子に育って欲しい。そうして、成長するんだぞ」

そう、言った。

そのお父さんは、もう、居ない。









朝のすがすがしい空気とは裏腹に、舞はむしゃくしゃしていた。
なんていうか、思春期特有の形にならないもやもや。
それが舞の中で渦巻いていた。
だが、むしゃくしゃしている理由に、ひとつ思い当たることがある。
昨日の、三者面談。
五月蠅い母と、常識気取って踏ん反り返っている教師とともに、面談だった。
成績は、オール5。何も問題はなかった。
が、教師が最後に言った余計な一言で、舞の機嫌は急斜面になった。
『舞さんは、ちょっと変わった子ですねぇ』

「変わった子」。どういう意味だろうか。
何を基準に言っているのだろうか。
誰と比べていっているのだろうか。
そんなことを考えていたら、眠れなくなってしまった。
おかげで寝不足だ。
どうしてくれるんだ、五月蠅い母に、馬鹿教師。
なにが家できちんと睡眠をとれ、だ。
お前たちのせいじゃないか、眠れないのは。
・・・反抗期だろうか。
舞は14歳、中学二年生。
まさに、青春真っ只中。

そして、いろんなことが、渦巻く時期。


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