白いYシャツと夏空と君。
ゆっくりと開かれた唇は滑らかで、落ち着いた声を放つ。
「わかってた、お前があいつの事を好きなことぐらい。」
名前を言わないのは
彼なりの優しさ。
「わかってた、俺があいつに適わないことぐらい。……わかってた。」
「ゴローちゃん…。」
「わかってたんだ、そんなこと。…だけどこれだけは譲りたくなかった。」
すっと、頬に手を覆った。優しくて温かい手なのに、今日はやけに冷たい
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