貴方なんて、もう。
ザーザーの雨の中、あたしは傘も刺さずに、ただひたすらに走った。
溢れ出る涙は、降り続く雨によって誤魔化せたけど、
「あーーーっ!」
形にならない叫びだけは、何にも誤魔化せなくて、
どうしようもない想いだけは何処にもぶつけられなくて、
「がああぁぁー…っ」
あたしの中で、何かが壊れて、どう手をつけていいのかわからなくて。
──それでも、
貴方が好きだったの。
愛していたから、
「いやあぁぁぁっ!」
愛していたから、
ここまで、あたしは壊れたの。