結婚の条件《オオカミ秘書の恋愛指南》
私は心配で給湯室に行った。



「…書類、大丈夫ですか?」


コンロの火で炙り、乾かす洋貴さん。


「少しシミにはなりましたが…大丈夫ですよ。社長」



洋貴さんはキスマーク事件以来、私にはキスしなくなってしまった。


一緒に居る時間は長いのにーーー・・・


何だか…遠い存在の私たち。


「今夜は…久しぶりに親友と会うんだっけ?」


「はい…」



「終ったら電話下さい…迎えに行きますから」


「ありがとうございます」
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