結婚の条件《オオカミ秘書の恋愛指南》
もうすぐ定時。



秋も深まり、日が沈むのも早い。



夕映えの光が差し込む社長室。



「俺の世話してくれたシスターにお前を紹介したい。お見舞いに行ってくれないか?…杏里」



「いいですけど」



「そっか~サンキュー…お前をフィアンセとして紹介していいか?」


「今更…聞くコトではないでしょ?」


「そうだな~。ヤッた後で申し訳ないが…俺みたいな嘘つきな男でいいのかと考えてしまった」



「私に対するキモチには嘘ではないんでしょ??」


「ないさ~」



夕映えの光を背に受けて、黄金色の光る洋貴さん。


その立ち姿はステキで王子様みたい。
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