結婚の条件《オオカミ秘書の恋愛指南》
「・・・」



杏里は俺の渡した紙を丸めて投げつけた。



「洋貴さんの顔なんて…見たくないです!!出て行って下さい!!」


涙目で俺を睨みつけて、訴える。



「お前の為に言ってやっているんだ!どうお前が努力しても…叔父様よりも上に立つコト出来ない・・・」



「出て行って下さい!!」



「・・・愚かな女だ…人が親切で言ってやってるのに…」



俺は社長室を出て行った。


杏里が望むなら、一緒に駆け落ちしようと本当に思っていた。
この東京を出て、誰も知らない街で…一から人生をやり直そうと。
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