結婚の条件《オオカミ秘書の恋愛指南》
床に落として、俺は革靴の踵で思いっきり踏みつけて、壊した。



「俺に盗聴器を仕掛けるなんて味な真似を…」


「誰が??こんなコトを…」



杏里は口元に手を当てて、驚きを隠せない。
俺を全身で拒んでいた彼女の態度が少し緩んだ。



「お前の叔父様だ…。お前の叔父様は無断でお前の相続した…祖父の美術コレクションを、闇オークションで売りさばいている」


「そんなコトはあ、あり得ません!!」


俺の予想通りの答えを返す杏里。


「これが証拠だ…」


俺は壊れた盗聴器を指差す。


「・・・」





< 84 / 207 >

この作品をシェア

pagetop