結婚の条件《オオカミ秘書の恋愛指南》
「杏里とっては優しい叔父様だが・・・それは表の顔で裏の顔はずるくて、あくどい男だ」



「信じられません!!」


杏里は耳を塞ぎ、その場にしゃがみ込む。



「あなたの方が……悪い人です…」

「・・・杏里お前の方が悪い女だ」


俺もしゃがみ込み、杏里と目線を合わせる。


「俺にプロポーズしておいて、昨日の夜は先に寝るし…おまけに出て行けとは…酷いな…」



「それは…洋貴さんが・・・」



「お前は叔父様にとっては保険だ」


「!?」


「祖父の美術コレクションを売りさばいてると言ったがホンモノはちゃんと自宅の蔵に眠っている。贋作を作り…叔父は高値でオークション取引しているんだ。
ホンモノだと言って贋作を売る…立派な犯罪だ。悪行がバレた時…杏里に罪を被せるつもりで…お前に社長の椅子を譲っている…だからお前は保険だ」


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