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「辰くんごめん。私ボーリングめちゃくちゃ下手なの」

「大丈夫。…俺もだから」

「………そっか」

「…………うん」

この時点で勝負が見えた私たちは、お互い苦笑いでボーリングを始めた。


案の定、私はガーターばっかり出していて、辰くんは倒してはいるけど3、4本しか倒れないという始末だった。

だけど、下手だからこそ、1本でも倒れると嬉しくて嬉しくて辰くんと盛り上がっていた。


ハイタッチなんかして、お互いを応援して。

すごく楽しかった。





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