Color



同じ制服を着ている人たちは、徐々にいなくなり、あたしたちだけになった。


「遅刻すんだけど」

「先行けば?」

「………ったく…」

何よ、それはこっちの台詞なんだから…。


隣を歩くのは、幼なじみの春泰。あたしと同じ高2だ。

元々親同士が、とても仲良かった。家を、隣同士にしちゃうくらい。

だから、あたしと春は産まれる前から一緒だった。

お腹にいる時からずっと一緒なんだよって、幼い頃に良く聞かされた。

気が付いたらいつもこうして、春と居た。

もの心ついた時には、自然に自分たちからお互いの側に行くようになっていた。




< 157 / 309 >

この作品をシェア

pagetop