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休み時間、夢たちとくだらない話しをしていた時。


「莉鈴ちゃん、ちょっといいかな」

「え、…あ」

3年の男の先輩に呼び出された。

その先輩について行くと、人気のない廊下にたどり着いた。

…―――なんとなく、わかる。


「あー…のさ、前から良いなって思ってて。付き合ってほしいんだけど」

こういう事だって――…。

「気持ちだけ受けとっておきます。ごめんなさい。」

言われたい言葉。


「付き合えない理由とかある?」

でも、それは先輩とか他の誰かなんかじゃダメで…。


「今、彼氏とかほしくないんです」

『付き合って』って言葉は、春が言ってくれなきゃ意味がないの。

“好き”とか“付き合ってほしい”って言われて少しも嬉しくない人なんて居ない。





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