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「お母さん、今日オムライスね!」
「わかってるわよ。まったく、食欲大勢なんだから」
「お母さんに言われたくなーい」
「あらっ、失礼だこと」
笑い声の響くリビングに、小学生の弟が勢いよく駆け込んで来た。
「コラッ、燐(リン)!ドア壊れるって何回も言ってるでしょ!」
「お父さん自転車壊れたぁ!」
お母さんの言葉を無視して、お父さんの元に駆け寄る燐。
「どこ壊れたんだ?」
「ギア!ギアんとこ!」
燐はお父さんの腕を、ぐいぐい引っ張りながらリビングを出て行った。
「じゃあ、あたしもそろそろ行くね」
軽く手を振ると「行ってらっしゃい」とか「気をつけて」って3人の声が聞こえた。