Color



「お母さん、今日オムライスね!」

「わかってるわよ。まったく、食欲大勢なんだから」

「お母さんに言われたくなーい」

「あらっ、失礼だこと」

笑い声の響くリビングに、小学生の弟が勢いよく駆け込んで来た。


「コラッ、燐(リン)!ドア壊れるって何回も言ってるでしょ!」

「お父さん自転車壊れたぁ!」

お母さんの言葉を無視して、お父さんの元に駆け寄る燐。


「どこ壊れたんだ?」

「ギア!ギアんとこ!」

燐はお父さんの腕を、ぐいぐい引っ張りながらリビングを出て行った。


「じゃあ、あたしもそろそろ行くね」

軽く手を振ると「行ってらっしゃい」とか「気をつけて」って3人の声が聞こえた。






< 175 / 309 >

この作品をシェア

pagetop