Color



「…――くれませんか?」

あたしがそう言うと、


「ちょっと待て」

それまで黙って聞いていた森川くんは、遮ってその先を止めた。


「おまえ、それマジで言ったのか?」

「うん、言った」

飄々と言ったあとに聞こえたのは、大きなため息。

そして、おまえは本当に…と、呆れた声を出した。


「違うの、最後まで聞いて」

「は?…まぁいいや、で?」

「それでね―――…」





< 298 / 309 >

この作品をシェア

pagetop