Color



「なに?」

「知らないうちに、森川くんのことばっかり考えてたの。先輩の事を好きだったはずなのに、森川くんにドキドキしてたの。これって恋だよね?」

……――――好きです。あたしは森川くんのことが、だいすきです。


「無理に諦める必要は、ないよね?」

いつか言ってくれた言葉を、恐る恐る聞く。

そんなあたしに森川くんは、


「ないな、一生ない」

誰よりも優しい笑みをくれた。


「おまえの馬鹿さ加減にはマジで敵わないわ。…フライングだぜ?」

そうフッと笑うと、お得意の耳元で囁いた。





< 305 / 309 >

この作品をシェア

pagetop