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納得いかないあたしは岩崎先輩を追いかけた。

こんなに全力で走ったの、いつぶりだっけ?

あたしは足を止めることなく、探しまわった。


「あ、あの!岩崎先輩、どこに行ったかわかりますか?」

先輩と仲の良い人たちを見付け、尽かさず居場所を聞いた。


「え、洋?あいつなら屋上行ったけど…なぁ?」

「あぁ。行けば多分居るだろ」

そう教えてくれた先輩たちに、「ありがとうございます!」と、勢い良くお礼を言い屋上に向かって走り出した。

あたしはあんな言葉だけで引き下がる女じゃないの!

ちゃんと聞いて、そこそこ納得いかなきゃ諦めきれない人なの!

めんどくさくたって、生意気だって、ウザくたって、後悔するよりはマシだと思う。





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