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「あんなにニヤニヤしてたくせによ」
「しょうがないじゃん!告白されたの初めてだったんだもん!嬉しくなっちゃいますよ!そりゃあ?先輩はしょっちゅうチヤホヤされてますからねぇ!そんなの慣れますでしょうよ!」
「あぁ?」
「あたしはいっつも上手くいかないんです!こっちは一生懸命好きだってのに誰だか顔も知らない奴らに軽いだなんだ言われて!そりゃ惚れやすいあたしが悪いですとも!でもですね!あたしにそんな事言って良いのは美樹だけなの!得体も知らない奴らに訳わかんない事言われたくない!」
「得体っておまえ…」
ハァハァと息の上がるあたしに、先輩の顔は引き攣る。
「今回だって!あたしはめちゃくちゃ先輩が好きだって言うのに!この関係を築くのに時間をかけてきたのに!限りない時間をしょっちゅう邪魔され!文句言いたくても相手は先輩で!いくらスーパーポジティブでも女の先輩は何より怖いし!岩崎先輩は岩崎先輩であたしを余裕で放置するし?そんなの見ててもなんっにも面白くないじゃないですか!そのちょっとテンション下がった時に!まさかの!告白ですよ!?…アガッた。あれはアガッたね」
うんうん、と頷くあたしに、
「おまえどさくさに紛れて告ってくんなよ…」
呆れながら呟いた。