March

ｶﾞﾗｶﾞﾗｶﾞﾗ...

｢沙良あああｯｯ!｣

教室のドアを開けると　愛美が私を待ち構えていた

｢愛美ｯ!久しぶり★｣

愛美と会うのは小学校の卒業式以来だった

｢おめぇらﾚｽﾞかよ｡｡｣

拓也が　私たちを嫌味な目で見ながら言った

｢そうよｯ!愛美､沙良と結婚するもんｯ!　ね!?沙良ｯ｣

｢えｯ?あ、そうだよ!あたし愛美と結婚する！｣

｢まさかﾚｽﾞと友達だったとわ･･･｣

朝っぱらから　小学校と変わらないあほらしい会話で盛り上がる


《新入生の皆さんは､担当生徒の指示に従って体育館へ向かって下さい》

ふいに放送が入り　担当の生徒に指示されたとおり　体育館へ向かう｡

愛美と拓､小学校が一緒だった子と喋りながら歩いていた

《ﾄﾞﾝッ!!》

逆方向から来た誰かに思い切り肩がぶつかり廊下でしりもちついてしまった｡

｢痛ｯ!｣

ぶつかった相手に目をやる

(あれ中１か!?)

確かに新入生の付けるｺｻｰｼﾞｭをつけていたが

明るい金に近い茶色の髪に　身長は170ｃｍくらいある

｢邪魔なんだよﾁﾋﾞ...｣

はぁ！？　ふざけんな！　
なんでぶつかられた上にそんな事いわれなきゃなんないわけ!?

｢沙良大丈夫？って沙良！？」
愛美があたしに手をさし出したのを無視して
あたしは　そいつを追いかけていった。