お前が俺に残したもの
固まっている俺の顔の前で
腕をヒラヒラさせ
「昴さん?」
どうしたの?と首を傾げる
愛華を抱き寄せぎゅっと抱きしめる
「なんでそんなこというんだよ…」
「…あたしだって…産んであげたい…けど…」
「…けどなんだよ」
「あたしだって…産んであげたいよ。
けど…あたしはまだ中学生で13歳なんだもん…」
「子供を産むのに年なんか関係…」
「あるよ!…子供のあたしがあたしより小さい赤ちゃんを
育てられると思う?
…あたし…怖いの
逃げちゃうんじゃないかって…」
「…え?」
「だって…大好きな昴さんとの大切な赤ちゃんだから
産んであげたいって思う。でも…考えれば考えるほど
怖くなるの。」
そう言った愛華の身体は震えていた
「昴さんも居なくなって、赤ちゃんも…いなくなったら
あたしは…いきていけない…」
「いなくならない」