あなたに出会えて

 授業が終わり、すぐさま教室を逃げるように出た。

 人が少ない校舎の方に行き、トイレに入り携帯を取り出した。何件かメールが届いていた。

「あっ、歩」

 歩から何件もメールが届いていた。

『今どこ?隠れてるならそのまま隠れてて。姫佳たちが探してる』
『椅子、外靴の中』
『大丈夫?』

 しばらく見ていなかったのに、何件も送ってくれて純粋に嬉しかった。でも、やっぱり信用できない。どこ?って聞かれても答えたくない。しばらく読み続けていると一番新しいメールを見て背筋が凍った。

『ちょっと、なんで先輩と?まずいよ、姫佳がキレてる』

 なんで?私また何かした?
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