あなたに出会えて

「大体さ、ガツンと言えばいいのよ。ガツンと」

 そう言いながら、早百合先輩は、優奈先輩の隣に座った。

「ガツンと・・・、ですか」

「そうよ、そういえば相手はちょっとひるむんだから」

 タバコの煙が風になびいて、目の前を通り過ぎていった。

「あのね、早百合。ガツンと言えてたら、こうやって悩むことないんだからね」

 優奈先輩は、私の肩を包み込むように抱きしめながら言った。

「何言ってんだか。いっそのこと殴ってくれば?」

 殴る真似をしながら、にやっと笑っていた。

「あのねー、そんなことしたらますます立場が不利になるでしょうが」

 優奈先輩は少し呆れた声だった。

「ははっ、ちょっとした冗談。でもさ、私はいじめられる方にも原因があると思ってるんだよね」
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