あなたに出会えて
肩の力が抜けたような気がした。心のどこかで怖い印象を持っていたから。
「何かあったらすぐに逃げておいで。守ってあげるから」
誰にも負けないからさ、と屈託のない顔で早百合先輩は言った。
「ありがとうございます」
「まぁ、出来るだけ逃げない方がいいんだろうけど。肉体的にも精神的にもきたら逃げるのがいいと思うしさ」
「そうそう、私みたいになったらしんどいからね」
横で優奈先輩首を縦にうんうんと頷いていた。
「・・・はい」
本当なら助けてもらいたいと思った。姫佳たちのいじめを止めて欲しかった。でも、世の中そんなに甘くないと痛感した。単なる自分の望みを押し付けることではないんだろうけど。