あなたに出会えて

「さーてと」

 早百合先輩が地面に煙草を押し付けながら、言葉を発した。

「今回はどうやって教室戻る?朱莉ちゃん」

 二ヤーっと早百合先輩は笑った。そういえば何も考えてなかった。今はまだ授業中で、帰宅時間にはまだ数時間もある。

「あぁ・・・、考えてなかったです」

 悲鳴に近い声を出すと早百合先輩は、ケタケタと笑った。

「計算苦手なタイプだよね。からかい甲斐がありそう」

「もう、早百合。今そんな場合?」

「ついさっきはコンタクト。今回は私のカラコンにでもする?」

「さーゆーりー」

 少し怒ったように優奈先輩は言った。
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