あなたに出会えて

「そう。何かあったらすぐに言うのよ」

「・・・はい」

 先生はそう言うと立ち上がった。

「担任の先生には何か言ってきたの?保健室に行くとか」

「いえ、何も」

「じゃあ、伝えてくるから、横になってなさい」

 先生はベットの準備をして、私が布団の中に入るのを見てから保健室を出て行った。

 静まり返った保健室のベットの上で、私は何も考えたくない一心で目をぎゅっと瞑った。

 結局私は先輩たちに助けられている。弱っている私には凄い嬉しいことだった。でも、きっといつまでもこんなにラッキーなことは続かない。

 歩だって、私の側にいる人間なわけじゃない。

 本当にひとりっきりになった時、私はどうしたらいいの?
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