あなたに出会えて

 どうしたんだろう。気になってすぐに返事をした。

『すみません、寝ていました』

「朱莉ーっ。学校行かないのー?」

 
「わかってるってばー。今からそっち行く」

 そう言って、学校の荷物と携帯を持って部屋を出た。

「もう何してたの?まだ体調悪いの?」

 そう言いながら、目玉焼きの乗ったお皿を私の目の前に置いた。

「ううん。平気」

「そう?ならいいけど。無理しないようにね」

「・・・うん」

 もう無理は充分してるよ、お母さん。

 言えない言葉を、胸の中に響かせた。
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